みなさんこんにちは!ROTOです!
ここでは,動画で紹介したことをもう少しだけ詳しくまとめています.
最後には『今日のアニ単!』の答えと解説も用意していますので,是非読んでいってくださいませ♪
今日は『アニメーション制作全体の大まかな流れ』についてです.
早速こちらをご覧ください!
これはアニメーション制作全体のワークフローです.
今回はアニメーターさんのお仕事の内容に着目した研究の報告ですので,アニメーターさんが関わるお仕事の部分だけ,少し詳しく書いてあります.
順を追って説明していきましょう.
アニメーションの制作工程は以下の3つに分ける事ができます.
① 映像を実制作するにあたって必要な準備をするプリプロダクション工程
② 実際に映像素材を制作するプロダクション工程
③ 素材を1本の映像にまとめ,音などを付加していくポストプロダクション工程
これらの工程を経て,アニメーションは完成していく訳です.
これは、アニメーションに係わらず多くの映像制作において言えることです.
プリプロダクションでは,『企画』が立ち上がり,『脚本』,『設定(ビジュアル付きの設定資料)』の順に制作していきます.
『企画』を担当する人は,エンドクレジットで『企画』や『プロデューサー』などと書かれていることが多いです.
次に,皆さんもご存じの『脚本』ですね.
原作などがある作品においてもしっかりと,そのうちの何をどのように描くかが脚本に起こされます.
余談ですが,例外の一つとして彼の宮崎駿氏は絵コンテの前に脚本(決定稿)の制作をしないため,コンテが完成するまで筋書が誰にもわからないというエピソードが有名なようです.
そして『設定』の制作ですが,ここでキャラクターのデザインなどを含むあらゆるビジュアル付きの設定資料が作られます.テレビアニメにおいては話数が進むにつれて必要な設定資料が増えていくので,設定制作は必ずしもこの位置にあるとは限らないようですが,基本的にはこの順であると考えていいでしょう.
また,ビジュアル以外の設定については,必要に応じて脚本の制作と同時に行われることもあります.
『色彩設計』と言う工程では作品全体の色味とその範囲を決定します.
これらによって作品単位で絵や色味の統一ができるわけです.
上記のすべての作業が終わったら,プロダクションに入ります.
プリプロダクションで作られた脚本や資料を基に『絵コンテ』が制作されます.
『絵コンテ』は映像制作における設計図のようなもので,ここで初めて作品の映像としての大まかな形が決められます.
これ以降は,この絵コンテに従って映像の作りこみを行っていく段階です.
ここに来てようやくアニメーターさんのお仕事に入ります.
詳しい工程については今後紹介していくつもりなので省略しますが,まず『レイアウト』と言う背景とキャラクターを両方描き込んだ絵が絵コンテを基に制作されます.
次に,これを基に1枚1枚キャラクターの動きを描き,アニメーションが作られる『原画」という工程に移ります.
最後にこれを清書したり,何枚かの絵を足したりして整える『動画』と言う工程を行って,アニメーターさんのお仕事は終わりです.
つまりアニメーターさんのお仕事はこの赤枠で囲まれた部分と言う事になります.
『レイアウト』や『原画』『動画』と言う単語は博士からの指令の中にも含まれていましたね.
『動画』が映像じゃなくて,絵のことだなんて完全にひっかけですよね.
この名前を付けたに人きっと悪意があります.
そうそう,この時同時にレイアウトで作られた背景の下書きを基に『背景美術』の方が美しい背景画を制作しています.
さらにこの後,『仕上げ』の工程があります.仕上げはわかりやすく言えば色塗りです.
アニメーターさんの制作した『動画』と言われる絵の素材は,イラストなどで『線画』と言われるような,線だけ の絵になります.なので,ここまでで制作された絵は,背景を除けば線だけの絵ですから,色を塗らなければなりません.
『色指定』の工程では『色彩設計』に従ってその場面にあった色が決定されます.その指示により,1枚1枚線でできた絵を塗っていきます.1枚1枚ですよ?この時代においてもコンピュータが自動でやってくれるなどと言うことはありません.それほどアニメーションにおける色塗りは複雑で高度な作業なのです.
そしてプロダクション工程の最後に『撮影』があります.これはアニメーターさんが描き,仕上げさんが塗ったキャラクターなどの絵と,背景美術さんが描いた背景画,場合によってはCGなどを重ねて一つの映像にまとめる工程です.また,カメラワークを加える,火や水を半透明にする,光を加える,被写界深度を表現する,などこの撮影の工程は数え切れないほどの映像表現も同時に担っています.
最後にポストプロダクションです.
『編集』は『カッティング』などとも言われ,複数のカットを1つにまとめ,本編映像とする工程です.大抵の場合,コンテの時点では尺が少し長く作られているそうです.
また,コンテの尺とは関係なく(後で動きを調節しやすくするため)素材自体を少し長く作るアニメーターさんもいたりするみたいです.
これらを決められた時間に収まるよう,切って繋げていくんですね.
『音響』の工程では,脚本や絵コンテ,本編映像などを基に効果音を作ったりアフレコをしたりしていきます.声優さんのお仕事はここですね.
音楽は多くの場合プロダクションと同時進行で制作されますが,この工程に属すると言っていいでしょう.
『ダビング』は音付けと呼ぶのがわかりやすいかと思います.音響工程で作ったあらゆる音を本編映像と重ねて一つの動画素材とします.
『ビデオ編集(V編)』でOPやED,次回予告などの別で作られた映像と合体させて,放映できる状態にしたら完成です!
どうでしょうか?アニメーション作品がどのような道筋をたどって完成するのかイメージできたでしょうか?
次回調査報告ではアニメーターのお仕事の中でも『レイアウト』についてもう少し掘り下げようと思います.最後まで読んでくださりありがとうございます.
ではまた次回の調査報告でお会いしましょう.
バイバイ!
今日のアニ単! #001『おばけ』
☆答えと解説
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答えは③の『残像』です!
今回の『# 04アニメーターのおしごと!』の映像ではここで使われています.
拡大するとこんな感じ↓
実はよく見る表現ですよね.
このように,振り幅の大きい動きに対してコマとコマの間の動きを補完するような残像を描き込むことで,作画枚数を増やさなくても動きをなめらかに見せたり,動きそのものを強調する効果があったりします.
近年ではギャグ寄りのシーンからアクションまで幅広く使われていますが,写実的な動きの傾向がある作品では避けられることもあるようです.
また,本来マンガや手描きアニメ独特の表現でしたが,日本では2019年3月8日に公開された3DCGアニメーション作品『スパイダーマン: スパイダーバース』においてこの表現が使われていたことでとても驚きました.
『おばけ』是非覚えていってね♪