第2回調査報告『アニメーターのおしごと!レイアウト編 第1章 画面の構成要素』
- ROTO@日本仮想現実産業研究所
- 2019年8月1日
- 読了時間: 3分
ヤッホー!サクサク作画を学べる動画を作りたい,作画を学ぶVTuberのROTOです!
今回のテーマはこちら!

「アニメーターのおしごと!レイアウト編 第1章 画面の構成要素」
ということで,今回はレイアウトのお仕事の紹介をするにあたって,知っておいてほしい,日本の2Dアニメの画面を構成する3つの要素についてお話したいと思います.
まずはこちらをご覧ください.

さて,このようなアニメ作品の画面があったとします.
実はこの画面...↓

このように,いくつかの絵を層のように重ねて作られているんです.
え?それくらい知ってた?すごいですね!
私はこの研究を始めるまで知りませんでした…
ちなみに,今回の場合は3層の構造になっていますが,制作されるものによっては,さらに何層もあったり,逆に1層や2層で作られている場合もあります.
これらの層はその役割によって大きく3種類に分けることができます.
① BG(背景)
まずこの一番下の層が「BG(背景)」です.

これについては知っている方も多いかと思いますが,改めて紹介しておきます.
BG素材は,常に一番下の層に配置されます.
基本的には建物や自然物などの風景が描かれ,そのシーンの舞台はどこなのかということや,その作品全体の雰囲気を語る役割があります.
質感を重視して描画されることが多く,カメラワークなどによって動かされることはあっても,見かけの形状が変形するようなアニメーションをすることはありません.
② セル
そして,次に覚えていただきたいのが「セル」です.
今回で言えばこの部分です↓

このセルについても聞いたことがある人は多いかもしれないですね.
セル素材では,主にキャラクターなどを扱い,いわゆる作画によるアニメーションする役割があります.
主線を用いてしっかりとしたシルエットを描き,色の境界のはっきりとした描画をすることで,作画によるアニメーションを可能にしています.
また,実際にはそのカットでアニメーションをしない場合であっても,作品単位で他のカットとの整合性を図るために,セル素材を選択することもあります.
③ BOOK
最後に覚えていただきたいのが「BOOK」です.
「ブック」と読み,「Book」や「book」と表記することもあります.
今回で言えば,この椅子の部分です↓

ここまでで紹介した3つの中では,一番聞きなれない用語ですよね.
このBOOK素材はBGと同じ質感で描かれます.
その役割は一見してBGと変わらないように思えますが,間にセルが入る,BGと異なる規則でカメラワークや撮影処理が加えられる,などの理由によって,BGとは別の層として扱いたい場合,このようにBOOK素材として制作します.
難しい話のように聞こえますが,今回のように,椅子などの家具や小物,建材や樹木と,風景との間にキャラクターが挟まれた時に使うと考えれば,概ね間違えないでしょう.
このBOOKと最初に紹介したBGを総称して「背景美術」や,単に「美術」と呼んだりします.
「作画がすごい」と「美術がすごい」を使い分けられたら,マニアっぽくてちょっとかっこいいかもしれませんね.
さて,これで今回のテーマであるアニメの画面を構成する要素,3つの説明がすべて終わりました.
どうですか?覚えていただけたでしょうか?
「BG」,「セル」,「BOOK」ですよ!
これらが実際どのように使われているのか,次にアニメを見るとき,考えてみるのも面白いかもしれませんね.
今日のアニ単!
『今日のアニ単!』はこちら!

アニメの作画に使われる専用の用紙のうち,最も厚いのは次のうちどれでしょうか?

☆答えと解説
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
答えは➁の動画用紙!
最終的にスキャンされてテレビ画面に反映される素材になる動画は,折れたり皺が付いたりしては困るため,一番厚い紙でできています.
ちなみにそれ以外の用紙は,ほとんど同じ厚さでできています.
各種用紙はAmazonなどで簡単に入手できるため,一度購入して厚さや質感などを確かめてみても面白いかもしれません.
それでは,また次の記事か動画でお会いしましょう!
バイバイ!
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